私はリーシュが使われ始めた時、全面的に反対した。なぜなら、みんなそれをサーフボードのノーズにつけて、ヨーヨーのように引っ張っていたからだ。私は今までに、これほど不便で不格好なのは見たことがない。Corky Carroll 1972(Photo Encycropedia of Surfingより)
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リーシュ(ボードストラップ)は1950年頃からハワイ、フランス、そして米国などで試しみられてきたが、流れたボードを泳いで取りに行くことが「セクシー」な行動と見られていたのと、あまりに重いロングボードではナンセンスなものだった。
 1970年になり、板が飛躍的に短くなってきた頃、北カリフォルニアのサーファー達が、自分の愛板が崖の餌食になるのに懲りて、ノーズに流れ止めをつけたのが最初の商品化(Power Cord)と言われている。それは流れ止めの他にノーズを早く回転させるためとある。
 冒頭のコーキーさんのお言葉通り、ノーズのリーシュはあまりに不格好ではあるが、そのコーキーさんも今は必ずリーシュをしている。込み合った現在のサーフィンでは、流れ止めは人に怪我をさせないためでもある。
 サーフィンはサーフボードが発明され、ウエットスーツが開発され、そしてリーシュが登場する。この三種の神器は未だ変わらない。