Freer Ride Age 海賊版・おーまち通過〜 

 1970年代のサーフシーンは1977年封切りのこの映画に全て持って行かれた感じでした。
ビル・デラニーの手腕により、映像、そして音楽と共に、すっかり洗脳されたサーファーも多いと思います。この映画に入っている曲は2曲を除き、ほぼA&Mからリリースされ、既に音楽市場にあるレコードでしたが、日本ではパブロクルーズ以外の曲を見つけることが一般的には難しい世の中でした。

 そんな折、当時のサーフショップではこの海賊版がコアなサーファーの間で話題になり、今も思い出の一枚として、クローゼットにキープしているアンクルサーファーも多い。

 「オーナー、あの、フリーライドのレコードないっすか?」
 「明日入るよ」と怪しいやり取りののち、やっとゲットできるアイテムでした。
 
 このレコードの特徴は、マスター作成中に、界隈を通る違法無線のノイズが入り込んでいて、途中「おーまち、おーまち通過・・・」というノイズが入っているところと、最後の5分の重要な部分が入りきらなかったところ、そしてラベル以外は全て白無垢という所にあります。

 現在、当時存在しなかったインターネットインフラのおかげで、本場アメリカをはじめ、様々な国のfree ride Age達が、コミニュティを作り盛り上がっていますが、しかし彼らはだれも「大町バージョン」を知らないと思います。
 
 でも、僕の中のfree rideを構築している一部分は、紛れもなくこの大町バージョンに他なりません。

(この海賊版の「大町」の件は、割と最近、鎌倉の先輩エディターにお聞きし、日本に沢山ある大町の、どの大町か判明)

*パブロのzero to ・・・は1981年西城秀樹の「モーニングサラダ」という番組のテーマ曲に
*80年代半ばには、新日時代の「アニマル浜口」の入場曲にもなりました。しらんけど笑