関西圏で愛されていた名将西川氏率いるテイクオフ誌。今では知る人も少なくなってきたが、70年代から激化していた関東発サーフィン誌戦国時代に一人「大阪発」で挑んでいた。   

 この頃のサーフィン界は箱根の山が精神的ボーダーラインになっていて、西側と東側をおおまかに分けていた。それは非常に奇妙なものであった。もちろん個人間の繋がりはあったけど、業界の重鎮たちの間にはプライドという障壁が見え隠れしていて、雑誌内容からもそれを感じるところがあった。

 そんな中、このTAKE OFF誌は生の関西エリアのサーフシーンを克明に表現していて、実に素晴らしい雑誌だった。今こうして紐解いてみても、当時の熱きサーファーたちのハートをガツンと感じられ、関東圏のサーフシーンとの対比が痛いほど感じられる。鬼籍にいられてしまった西川氏がこの歴史書を残してくださったお蔭で、今改めて日本のサーフィンの歴史を学びとることができる。