なんて新聞の見出しみたいになってしまったけど、私がなぜコストと品質にこだわっているか?の原点です。

 皆さんは生涯のサーフィンにかかるコストを考えてみたことはありますでしょうか?

 まあ考えても波の魅力には勝てない訳で、若い頃は金がなくても何とか海に行ってしまうすべを持っていたりもしたが、よりインディヴィジュアルな余暇を過ごす様になった昨今では、5人乗りのライトエースに7本も板を積んでまで行く事も時代遅れになりました。

 人それぞれだから、とても幅があると思うけど、真剣に取り組んでいる東京/大阪/名古屋エリアサーファーの場合で考えてみると、一回海に行くと交通費が8000円、月に5回で40000円、12ヶ月で48万円だ。場所によっては駐車場の利用料もかかる。

 2年に一回板を1本12万円で買い、ウエットを2年に一回2枚買い替える金額が8万円だとするとエクイップメントに年間10万円程度の予算が必要だ。ここまでで年間52万円の計算だ。

 さらにディープなサーフィンライフになってくると、拠点となる家を借りたり、冬はハワイ、バリなどどこかへトリップにトリップする費用も必要だ。そうなるとトリップ費用、さらにガンが必要になったり、それ用のケース、リーシュが必要になったり。

 そんなライフスタイルになってくると、さらに年間30万円程度上乗せするかたちになり、年間合計金額は80万円にもなる、さらにコンテストに出る人はそれなりのコストを捻出しなければならない。

 忘れてはならないのが、サーフィンに行く為の車も必要だし、車検や整備、保険、税金と頭が痛くなって来る。

 駐車場まで借りるとなると、さらに年間20万円は加算され、年間コストは100万円にもふくれあがり、サーフィンを同じペースで続けると、20年間で2000万円にもなってしまう。郊外なら場所によるけど一戸建てが買える。

 私は42年サーフし、うち30年は年間300ラウンドをこなしてきたから、おそらく4000万円以上を消費しているかもしれません。ですがその4000万円を、私はサーフィン業で捻出してここまで消費して来てしまった訳です。

 なので、サーファーに商品を買っていただいて暮らし、サーフィン三昧をしてきた私は、いまはその恩返し的な運営をし、老齢を迎えようと言う訳です。もし、私がサーフィンを始めた頃に、私のような考えをもったメーカーが多数あれば、郊外に中古住宅が買えていたでしょう、でもその頃はまだサーフィンそのものの歴史が浅く、生涯コストを考える人も少なかったのでしょうね。
 こんな「バカの見本」にならない様、これからのサーファーはスマートに、そして堅実にならなければなりません。